今回は定款の記載事項について解説いたします。
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定款ってなんだ?読み方や目的、わかりやすく解説!
上の記事で「定款って何?」という基本がわかったところで、今回はその中身についてもう少し踏み込んでみましょう。
定款にはいろいろなことを書くことができますが、実は定款の記載事項の内容には3つの種類があるんです。
それがこちら:
- 絶対的記載事項(ぜったいてききさいじこう)
- 相対的記載事項(そうたいてききさいじこう)
- 任意的記載事項(にんいてききさいじこう)
この3つを理解しておくと、会社設立時に迷わず定款を作れるようになりますよ!
絶対的記載事項とは?【必ず書くべき項目】
まずは一番大事な「絶対的記載事項」から。
これは、定款に必ず書かないといけない内容の記載事項です。1つでも欠けていたら、定款としては無効になります。
具体的には以下の6つです(株式会社の場合):

- 目的
どんな事業をする会社なのか?を明記します。あいまいな書き方はNG。 - 商号(会社の名前)
会社の正式名称。「株式会社〇〇」など。 - 本店の所在地
会社の住所。市区町村までは必須。番地まで書くのが一般的です。 - 設立時に出資される財産の価額または最低額
いわゆる資本金のような金額ですが、とりあえず設立するのにかかったざっくりとした費用です。 - 発起人の氏名または名称、および住所
会社の設立を決めた人(発起人)の情報です。 - 発行可能株式総数 * 原始定款に記載する必要はないが、会社設立までに記載しなければならない
会社が将来的に発行してもよいと定款で定めた上限の株式数のことです。
相対的記載事項とは?【書かないと効力が発生しない】
「相対的記載事項」は、定款に書かないとそのルールが有効にならない記載事項です。
つまり、「法律上、書いてもいいけど、書かないとその効力は認められない」というタイプ。
たとえばこんなものがあります:
- 株式の内容制限に関する定め
- 種類株式に関する定め
- 株主名簿管理人を置く旨の定め
- 相続人等に対する売渡請求に関する定め
- 単元株式数についての定め
- 株券発行会社である旨の定め
- 取締役会、会計参与、監査役、執行役、会計監査人の責任の免除に関する定め
- 社外取締役、会計参与、社外監査役、会計監査人の責任の限定契約に関する定め
これらは書いていないと、会社法の基本ルールがそのまま適用されることになります。それと、
📌 変態設立事項も相対的記載事項のひとつ!
ちょっと聞きなれない言葉ですが、**「変態設立事項(へんたいせつりつじこう)」**というものも相対的記載事項に含まれます。
これは、通常とは異なる少し特殊な設立方法を取る場合に、定款に明記しなければならない記載事項のことです。
主なものは以下のとおりです:

- 現物出資の定め
現金ではなく、不動産や車、株式などを出資するとき。 - 財産引受けの定め
設立後に会社が特定の財産を特定の人から譲り受けるとき。 - 発起人の報酬や特別な利益の定め
設立に関して、発起人が報酬や便宜を受ける場合。 - 設立費用の負担に関する定め
事務所の賃料や募集株式などの広告費などを会社が負担する場合。
これらは、設立の際に公証人のチェックが厳しくなるポイントでもあります。該当する場合は必ず定款に記載しておきましょう。
任意的記載事項とは?【自由に書ける内容】
最後に「任意的記載事項」。
これはその名のとおり、書いても書かなくても自由な記載事項です。
ただし、会社運営をスムーズに進めるために、きちんと定款に明記しておくのが望ましい内容も含まれます。
例を挙げると:
- 株主名簿の基準日
- 定時株主総会の招集時期
- 株主総会の議長
- 議決権の代理行使
- 取締役、監査役の員数
- 取締役会の招集権者
- 事業年度(決算期)
- 会社の公告の方法(官報・ホームページなど)
- 設立時発行株式の総数、資本金の額
特に公告方法(決算公告など)の記載がないと、自動的に「官報」に掲載しないといけなくなり、費用も時間もかかります。
まとめ:定款づくりは「3つの記載事項」を意識!
定款は、会社の設計図。何を書き、何をどう運営していくかの出発点です。
今回ご紹介した3つの記載事項を理解しておくことで、会社設立の準備がスムーズになります。
✅ 必ず書く → 絶対的記載事項
✅ 書かないと効力が出ない → 相対的記載事項(変態設立事項も含む)
✅ 書くと便利・自由に決められる → 任意的記載事項
「これから定款を作成しよう」と考えている方は、ぜひこの3分類を意識してみてくださいね。

