新品を販売する際、値引きの一環として顧客が持ち込んだ中古品を“下取り”するケースは少なくありません。
では、このような 値引き目的の下取り は古物営業法上の「古物商」に該当するのでしょうか?
今回は、古物営業法の考え方を整理しながら 古物商許可が必要となるケース・不要となるケース をわかりやすく解説します。
■ 値引き目的の「下取り」でも古物商に該当するのが原則

結論から言えば、
新品販売業者が下取りとして中古品を引き取る行為は、原則として古物営業法上の「古物の買受け」に該当します。
そのため、通常は 古物商許可が必要 です。
理由としては、
・下取りとはいえ中古品の取得が行われる
・その中古品を保有し、再販売・処分する可能性がある
ためです。
■ ただし「値引きのためのサービス」とみなされる場合は例外あり

次の場合、下取りの行為が 「値引きサービス」 として扱われ、古物商に該当しないことがあります。
古物商許可が不要となるためには 形式的要件 と 実質的要件 の両方を満たす必要があります。
【1】形式的要件
● 下取り品に対して代金を支払うのではなく、新品の本来価格から一定の金額を差し引く形式で処理されていること。
つまり、
「中古品を◯万円で買い取ります」ではなく、
「この中古品を持ってきたら、新品価格を◯円割引します」
という扱いになっていることが必要です。
【2】実質的要件
実質面でも以下の2点を満たすことが求められます。
ア)下取りが顧客への『サービス』の一環であるという事業者の意思が明確であること
あくまで値引きのための付随行為であり、
中古品の取得自体に事業的な目的がないことが必要です。
イ)下取りする個々の中古品の市場価格を考慮しないこと
つまり、
「市場では3,000円の価値があるから2,000円相当の値引きにしよう」
といった査定行為を行うと、古物商に該当します。
あくまで
一律の値引きルール
で処理される必要があります。
■ まとめ:値引き目的でも査定すれば古物商。サービスなら例外。
| ケース | 古物商許可の要否 |
|---|---|
| 中古品ごとに市場価値を査定して値引き額を決定 | 必要 |
| 値引きサービスとして一律の下取り、査定なし | 不要 |
| 下取り品を転売目的で受け取る | 必要 |
| 値引き目的の付随行為で中古品取得自体に事業性なし | 不要(要件を満たす場合) |
■ 行政書士としての現場ポイント
✔ 下取り額が中古品ごとに変わる → ほぼ100%古物商が必要
✔ 市場価格を調べる・査定する → 古物商に該当
✔ 完全にサービス扱いで一律値引き → 許可不要の可能性(ただし要件厳しめ)
下取りを行う企業の実態に合わせて、許可の要否を丁寧に判断することが重要です。
申請の流れや必要書類、当事務所のサポート内容については、こちらの 古物営業許可申請ページで詳しく解説しています。

